■インスパイアーされた音楽はチャイコフスキーの「四季」で、これは1月から12月まで一か月ごとにロシアの風物詩を曲の題材として作曲した全12曲のピアノ曲集。2015年1月にテイラー・アイグスティとのデュオ演奏「January」を映像公開、そこから毎月1人ずつ計12名のミュージシャンを迎え(ジョシュア・レッドマン、シャイ・マエストロ、ルシアーナ・ソウザ、ジュリアン・レイジ、マーク・ターナー、ジェフ・バラード、アンブローズ・アキンムシーレ、さらに今回のレコーディング・メンバー4人)、各人の特徴や可能性を考慮しながらオリジナル曲をyoutubeで発表していった。これが大変な話題となり、NY タイムスではアルバムが出ていないにもかかわらず「The Best Albums of 2015」に選出。その反響を受けて、この12の曲集プロジェクトを5人編成用に再アレンジして、今年2月にヴィレッジ・ヴァンガードでバンド・デビューし、さらに大きな反響を得た。
■グラミー賞にもノミネートされた人気ジャム・バンド“ニーボディ”の中心人物にして、音楽的アイデアとテクニックの高さからLAとNYそれぞれのシーンで幅広い人脈とリスペクトを得ているベン・ウェンデルがさらにシーンを牽引していく決定盤となる内容。前作『ホワット・ウィ・ブリング』以降もケンドリック・スコット・オラクル、ACTトリオでの来日や、6月発刊ムック「Jazz The New Chapter5」でのサックス特集でのフィーチャー、8月発売の桑原あい最新作にもゲスト参加しているだけにますます注目度が高まることは必至。