●And All That Jazz  第1回 「BEST IMPROVISED JAZZ SOLO」

第56回グラミー賞があったこともあり、この「And All That Jazz」  第1回目は私が最も敬愛しているアーティスト、ウェイン・ショーターでスタートしたいと思います。
ショーターは「BEST IMPROVISED JAZZ SOLO」でグラミー受賞となったわけですが、当然ですね。アドリブやソロということで分けるとやはり格が違うと言わざるを得ない。それについてちょっと書いてみたいと思います。

受賞したのは、2013年2月発売のアルバム「Without A Net」1曲目「Orbits」。

「Orbits」といえば、そうですね!「Miles Smiles」。ジャズ・ファンから愛され続けている曲達がぎっしり詰まった大名盤の1曲目です。
このアルバムがリリースされたのが67年。まず、ちょっと聴いてみてください。

いやー、イイですねー!全員調子良かったのではないでしょうか。結構、マイルスが調子いい時はショーターが、ショーターが調子いいときはマイルスが、というのが多いのですがこの曲の録音はどちらもイイです。トニー・ウィリアムスとロン・カーターの駆けるような4ビートに乗ってインスピレーションも身体も冴え渡ってますね。特にショーターはやはり凄い。アウトしそうでしない、崩れそうで崩れないその微妙なラインの駆け引きがこの短いソロの中に充満している。耳に聴こえる音以上のものが、このアドリブで立ち上がってますね。

そして聴きくらべてほしいのですが、現在のショーター「Without A Net」の「Orbits」。現在といっても2010-2011年のヨーロッパ・ツアーでの録音です。

どうですか?立ち上がりっぱなしですね。笑 
曲の出だしからただならぬものとなっているように感じます。

でも、この状態。すでにショーターのソロっていうふうにはなかなか切り離せなくないでしょうか。テーマの1部分が反復したり、ピアノ・ソロかと思ったらショーターが斬り込んできたり。その逆があったり。ずぅーっとソロなイメージでもあり、それでいて曲全編「Orbits」である感覚。
もしリズムが単調な4ビートを打っていたらこの表現は出てこないと思うんですね。

現在のショーター・カルテットのキーは仕掛け合いです。必ずメンバーの誰かがインスピレーションで曲の方向を仕掛けます。そして全員がそれに反応して重なり合っていく。
 
曲が始まって1分40秒あたりでショーターが仕掛けます。そしてそれに反応して徐々にブライアン・ブレイド、ダニーロ・ペレスが音を重ね、ジョン・パティトゥッチが続き、クライマックスの3分50秒あたりまで4人がグングン昇っていきます。

この「Orbits」、ショーターだけを聴いていても何かがこぼれていく感覚がありませんか?曲のなかでのショーターの自由度は「Miles Smiles」とは比べものにならないほどに拡張されてます。でも、それは「Orbits」というルールの中でショーターが他の3人の音を聴きながらそれに反応し時には自身が仕掛け構築されていくカルテットの形態があるから存在する自由であると思うんですね。仕掛け合いがなかったら昇れないんですよ。反応がなかったら次のひらめきが凍結してしまう。4人が重なり合っていくことで獲得できる自由、そして、それをもの凄い高みに持っていけるショーターはやはり格が違う。BEST IMPROVISED JAZZ SOLOなわけです。

ショーターのアドリブは初期のころから輝きを放ってます。メッセンジャーズ時代、マイルス時代、ウェザー・リポート時代、そして各自身名義のアルバムやゲスト参加の曲まで形態は変われど、どれをとっても曇っているものはありません。「Without A Net」までの道のりを辿ってみるのもとても面白いかと思います。

と、いうようなことをAnd All That Jazzな気分で書いていけたらと思います。(金子智和)
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